001 絵の無いギャラリー③

ギャラリー沼の底 第1話③

沼の底はどこにある?

 

前回の解説その②で、プロットのお話しをしました。

異界(異郷)訪問譚プロット
1.異界に行く
2.そこで何かの経験をする
3.異界から戻る
4.主人公が変化する

上記が一般的な異界訪問譚なのですが、『千と千尋の神隠し』において特筆すべきなのは、異世界が二重構造になっている点です。

『千と千尋の神隠し』二重構造プロット
1.異界に行く:油婆婆が支配する世界
2.そこで何かの経験をする:油屋で働く
3.異界の異界=沼の底に行く:銭婆が住む世界
4.異界から戻る×2
5.主人公が変化する

異界の世界から見る異界とは、一体どういう事なのでしょうか?コインを使って説明してみます。

千尋たちが暮らす現実世界を表と見た時に、油屋のある異界は裏になります。

「異界の異界」とは、コインをもう一度ひっくり返した表面にあたります。

しかし始めとは異なる表になるので、表”(ダッシュ)としておきます。

表”(ダッシュ)を言葉で表現すると次のようになります。

「失われた現実」

「失われた故郷」

「現実の世界では今となってはどこを探しても存在しない場所」

 

画家たちが表現したいのはこの世界です。

悲劇、郷愁、空虚、、、過去であり理想の未来でもあるその場所。

手が届きそうで届かない、現実のようで現実ではない曖昧な領域。

その領域は画家だけが持っているのではなく、皆さんの心奥深くにもあるのです。

ギャラリー沼の底 Océane

多様な考え方に負けないあなただけの思い方・考え方

1974年東京生まれ
浅草のギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
家事代行では「人-人」「人-物」「人-空間」「人-時間」の関係性に焦点を当てるインセプション・カウンセラーとして活動している。
物の見方と認識が専門。
2020年Beatrix FIFE主催の抽象画ワークショップに出会い感銘を受ける。

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