001 絵の無いギャラリー④

ギャラリー沼の底 第1話④

行きはよいよい 帰りはこわい

第1話「絵の無いギャラリー」解説はこれで最後になります。

世界の異界訪問譚を読むと、ある共通点に気付きます。
それは「行きはよいよい帰りはこわい」です。
行きはアッという間なのですが、異界に迷い込んだ方はどの方も皆さん帰りにご苦労なさいます。

『千と千尋の神隠し』でも主人公の千尋は次のように忠告を受けています。
油婆)「ここはね人間の来るところじゃないんだ。八百万の神様たちが疲れを癒しに来るお湯屋なんだよ。」
「お前も元の世界には戻れないよ!」
釜爺)「行くにはなぁ、行けるだろうが…帰りがな…」
「昔は戻りの電車があったんだが、近ごろは行きっぱなしだ。それでも行くか?」

ちなみに異界訪問譚の中に”戻れなかったお話し”はあるのでしょうか?

・・・あるんです。

参考までに帰って来られなかった物語を一つご紹介します。

「どうかKappaと発音してください」という一文から始まる有名な作家が書いたお話しで、
青空文庫にもなっているので、もしご興味あれば読んでみてください。

『河童』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/45761_39095.html

さて、幸いにも千尋は異界から戻る事ができました。しかも2回連続のミラクル偉業です。
戻れたら変化=再生が約束されています。
千尋には一体どのような変化が待っているのでしょうか?
その後の事を想像するとイメージが膨らみます。
まず現実的な所では、千尋たちは車で不思議の世界を後にし、新しい引っ越し先のお家に帰ったのだろう、と思います。

実は人には【2種類の家】があります。
一つは肉体の体が帰る家。国があり住所がある家です。
もう一つは心が帰る家。
心が帰る家についてはこの先にも触れる機会がありますので、今日はここまでにしておきます。

ギャラリー沼の底 Océane

ギャラリー沼の底 Océane

ハラオチしながら世界をみる

1974年東京生まれ
ギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
物の見方と認識が専門。

選手引退後小学校教師を目指すが、情報量の多さと教育界の厳しい現実を知り断念。
情報を外側に求めると「知らない領域」が無限に広がってしまう事に気がつき、既に知っている情報をより深化させる道を模索するようになる。
長らくメンタルの引きこもり状態が続いたが、日本に住む2人の外国人との出会いと、コロナ禍による交流の断絶が契機となり、抽象的かつ感覚的なイメージを少しづつ言語化し発信するようになる。
情報分断の原因でありイメージ界最大の不一致でもある「有るイメージ」と「無いイメージ」を繋ぎ、イメージ世界のバリアフリーを目指している。

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