002 名前を外した世界にようこそ!②

ギャラリー沼の底 第2話②

1、知っている世界と知らない世界

「自分の世界」と「自分以外の世界」は、次のように言い換える事ができます。

「知っている世界」と「知らない世界」

『般若心経』に出てくる五蘊を使い説明すると、次のようになります。

知っている世界
想)イメージできる
行)行動できる
識)知識が蓄積される

※五蘊…色・受・想・行・識のうち、色と受についてはいずれお話しします。

全ての名前の裏側には、イメージが掛かっています。
例えば「荻野千尋」という名前には(少なくとも私には)「日本人」「女性」 というイメージが掛かっています。
湯婆婆は「贅沢な名」と言っていました。

また、姓は出身地域のヒントになったりします。
海沿いの地域出身なのか?それとも内陸地域出身なのか?南の地域なのか?北の地域なのか?
ご先祖様の身分や職業も、姓から予想できることもあります。

「名前を外す」ということは、これらのイメージも外す事を意味します。
イメージできなければ芋づる式に行動もできなくなり、知識の蓄積もできなくなります。
そうして迷子になるのです。
同じ場所で足踏みを続けるとやがて地盤が緩み、ぬかるみに嵌まり込んでゆきます。

 

2、知っているはずなのに、初めて見る世界

名前を外した世界は「知らない世界」ではなく、単に忘れてしまっただけです。
「知っている世界」と「知らない世界」の間、ニュートラル・ゾーンに当たります。
実はこのニュートラル・ゾーンが一番のクセ者です。入り込んだら簡単には出て来られません。
それこそ千尋の谷のように底が深く、出ようと藻掻けば藻掻くほど、まるで蟻地獄のように谷底に吸い込まれていきます。

圧力がかかるため呼吸が浅くなり、心拍数も上がります。
焦りが募るとパニックになってしまうかもしれません。

もしもそうなってしまったら、思い切ってその場で立ち止まってみましょう。
目を閉じて、耳を塞いだって構いません。その場で自分の心が一番落ち着く姿勢を探してください。
落ち着いてきたら頃合いを見計らって必ず目を上げ、先ほどよりも周囲が良く見えるようになっている事を確認しましょう。

実は”パニック”と”驚き”の心は表裏一体なのです。
パニックが納まれば自動的に驚きの心が芽生えてきて、世界がこのように見えてきます。

知っているはずなのに初めて見る世界

「無知の知」と言い換えてもいいのかも知れません。
抽象画を描いて鍛える!ワークショップで皆さまをご案内する世界は、ココになります。
千尋の谷に落ちなければ見えない世界です。

 

3、地図を持たずに旅をする

「知っているはずなのに初めて見る世界」は、1つの条件と1つの方法さえあれば誰でも簡単に行く事ができます。

条件:地図やコンパスは持たない
方法:名前を外して世界を見てみる

ニュートラル・ゾーンは、あなたと背中合わせの場所にあります。
いつ、なんどき、千尋の谷に突き落とされる事になるのか分かりません。
迷子になった時パニックにならぬよう、常日頃から心の備えをなさっておくと良いかと思います。

自ら千尋の谷に落ちる覚悟のある方は、お茶とお菓子を用意してお待ち申し上げております。

ギャラリー沼の底 Océane

ギャラリー沼の底 Océane

ハラオチしながら世界をみる

1974年東京生まれ
ギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
物の見方と認識が専門。

選手引退後小学校教師を目指すが、情報量の多さと教育界の厳しい現実を知り断念。
情報を外側に求めると「知らない領域」が無限に広がってしまう事に気がつき、既に知っている情報をより深化させる道を模索するようになる。
長らくメンタルの引きこもり状態が続いたが、日本に住む2人の外国人との出会いと、コロナ禍による交流の断絶が契機となり、抽象的かつ感覚的なイメージを少しづつ言語化し発信するようになる。
情報分断の原因でありイメージ界最大の不一致でもある「有るイメージ」と「無いイメージ」を繋ぎ、イメージ世界のバリアフリーを目指している。

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