012 行きはヨイヨイ帰りは怖い

千尋の谷のお話し 4/4

「上」はどっち?

そろそろ気になる頃かと思うので、「帰り方」のお話しをしたいと思います。
ギャラリー沼の底は、V字の谷の先端、点の中にありますが、
ここから地上に出るには、どうしたら良いでしょう?

落ちてきたのですから、上にあがるしかないですよね?

だけど、ここは空間が無い面積0、点の中です。
上下・左右を、どのように判断しますか?
皆さんだったら、どうやって「上」を見つけ出しますか?

旅行というのは、出発するのは簡単です。
今いる場所から、好きな方角に行けばよいのですから。
だけど、問題は帰りです。

帰りは行きの千倍難しい。

上下左右のない、真っ暗闇の点の世界から外に出るのは、容易な事ではありません。

 

絶望の世界

もしこのまま皆さんが元の世界に帰れなかったらどうなるのかと言うと、
99.9999…パーセント自滅するか・破滅するか…
とにかく可哀そうな結果になります。

沼の底がある「点の世界」をひと言で表現するなら 「絶望」 です。

大きな気づきと発見をもたらしてくれる反面、
元の世界に戻れなければ「絶望」に掴まれてしまいます。

絶望に掴まれてしまうと、例えばあなたが羽を持っていたとしても、飛び立つことはできません。
逆に降り立とうとしても、降り立つ地面がないので降りられません。
同じ場所で羽をバタバタ、バタバタ、、、。
足掻き続け、不毛な力の消耗だけが続き、精神的な体力が奪われていきます。

そのような段階に陥ると、更に高度な知識と処方が必要になります。
残念ながら今の私では力不足により、絶望に掴まれた方を100%お助けする事が出来ません。
皆さんは、絶望に掴まれたいですか?
嫌ですよね?
絶対に元の世界に戻りましょう!

 

中心軸を鍛える

皆さまは覚えていらっしゃいますでしょうか?
004話目に「中心軸」の話しをしました。

「中心軸」という言葉を聞いて線をイメージした時に、
その向きは縦方向ですか?横方向ですか?というやり取りです。
ちなみに物語の登場人物:ミツキさんは「縦」方向のイメージをされました。

その縦軸の一方が点の世界に繋がり、もう一方が時間があり空間があり
「皆さん」という存在がある現実世界に繋がっています。

点の世界と、現実世界は「軸」で繋がっています。

もし、中心軸のイメージが曖昧で、ぼやけていたりすると、
元の世界に帰れない確率が高くなってしまいますが、
実はこの中心軸 鍛える事ができます。

 

今・ここ

それが筋肉だったら、スクワットしたりベンチプレスしたり…
鍛える方法はいくらでもあります。
しかし、中心軸はどのようにすれば鍛えられるでしょうか?

それは 現在値の把握 をする事で鍛えられます。

「私は・今・ココに居る」

面積0の点の世界では、認識できる時間は「今」しかありません。
同じように認識できる空間は「ココ」だけです。

もう少し正確にお伝えすると、「今・ここ」の連続の後付けに「私」が来ます。

現在地の把握が日頃から出来ている人は、沼の底からスムーズに帰る事ができます。
「私は・今・ここに居る」という感覚が、自動的に引っ張り上げてくれるからです。
引っ張られる動きにそのまま乗っかれば、元の世界に帰れます。

 

軸の動きに乗って帰る途中、点の世界で見た画像の中を通り抜ける事があります。
それが「夢」というものです。

点で沢山の絵を見た後は、不思議な夢がたくさん見られるかも知れません。
点の世界で見た物は、結構貴重な情報だったりしますので、
朝起きてすぐ、忘れないうちにメモに取っておくと良いかと思います。

そろそろ閉店の時間なので今日のお話しはこれでおしまいです。
続きは次回にしましょう。
眠って目が覚めたら「元の世界」「いつも通りの日常」が待ってますよ。
お休みなさい。

 

 

 

ギャラリー沼の底 Océane

ギャラリー沼の底 Océane

ハラオチしながら世界をみる

1974年東京生まれ
ギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
物の見方と認識が専門。

選手引退後小学校教師を目指すが、情報量の多さと教育界の厳しい現実を知り断念。
情報を外側に求めると「知らない領域」が無限に広がってしまう事に気がつき、既に知っている情報をより深化させる道を模索するようになる。
長らくメンタルの引きこもり状態が続いたが、日本に住む2人の外国人との出会いと、コロナ禍による交流の断絶が契機となり、抽象的かつ感覚的なイメージを少しずつ言語化し発信するようになる。
情報分断の原因でありイメージ界最大の不一致でもある「有るイメージ」と「無いイメージ」を繋ぎ、イメージ世界のバリアフリーを目指している。

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