013 時と空と人

みなさん、先にもう飛び込みましたよ!

沈没船のジョーク

前回012話でオセアンは非情にもミツキさんを千尋の谷に突き落としましたが、
他にもっと良い方法はなかったのでしょうか?
誰かが背中を押さなくても、自分の意志で谷底に飛び込むような方法。

余談なんですが、こういうお話しがあるのご存知でしょうか?

「沈没船のジョーク」

豪華客船が沈没しかかっていて、その船には世界各国の人々が乗船しています。
船長は、乗客を海に飛び込ませようとするのですが、
ある魔法の言葉を使い、各国の人々を海に飛び込ませることに成功しました。
その魔法の言葉とは何でしょうか?
・・・という、国民性の違いをジョークにしたお話しです。

「飛び込めばヒーローになれますよ」
というのは何人に対する魔法の言葉でしょうか?

 

→答え:アメリカ人です。

 

ではイタリア人に対しては?

 

伊→「海で美女が泳いでいますよ」

 

フランス人に対しては?

 

仏→「決して海には飛び込まないで下さい」

 

イギリス人に対しては?

 

英→「紳士はこういう時に、海に飛び込むものです」

 

ドイツ人に対しては?

 

独→「規則ですので海に飛び込んでください」

 

それでは日本人に対しては、どのような魔法の言葉掛けをしたのでしょうか?
じっくり考えてみてください。

 

Thinking time…
チッチッチッ・・・

 

日→「みなさん、先にもう飛び込みましたよ!!」

これが日本人を飛び込ませる魔法の言葉なのだそうです。
どうでしょう?皆さんには身に覚えありますか?

 

掛け軸のエピソード

私が見つけた方法は、国民性関係なく、全ての人に共通するのではないかな?と思います。

今からあるエピソードを一つお話しします。
その中にヒントがあるので、探してみてください。

先日あるお宅で、お部屋に飾られていた掛け軸の話しになりました。
水墨画なので、色は 【白と黒】 の世界です。
掛け軸だから縦に細長いのだけど、上半分はほぼ空白。
主に下半分に墨汁と筆で何かが描かれていましたが、
遠目に見ると抽象的すぎて何が描かれているのかサッパリ分かりません。

ひとつだけ分かる事は「この作品、制作時間は、ほんの10分くらいなのではなかろうか?」
という程のシンプルさ。
だけど筆に迷いが全く無いので、達人の作品であるのは間違いありませんでした。

掛け軸の持ち主と2人で作品を見ながら、
「この一番目を引く、縦に長い線は、崖なのではないか?」

「この崖下にある台形の群れは集落なんじゃないか?」

「向こうの小さい三角形は船なんじゃないか?」

「崖下のこれは木々なのではないか?青々しているからきっと季節は夏だろう」

…という具合に想像を膨らませて、お喋りを楽しみました。

ーーーはい。エピソードは以上です。

この場合、谷底に飛び込んだのではなく、「絵の世界に飛び込んだ」という表現の方が近いですね。
皆さんには、私と掛け軸の持ち主、2人が絵の世界に飛び込む事になった原因、理由、何か思い当たりましたか?

 

脳の癖

私たちの脳(Brain)には様々な癖があります。
その中の一つに

「空白を埋めたがる」「空白に飛び込む」

という癖、というか、傾向があります。
描かれていない空白を、想像で補おうとするのですね。

「空白」という言葉を、もっと身近な別の言葉に置き換える事ができるのですが、
なんだと思いますか?
漢字一文字です。

それは 「間(ま)(あいだ)」 です。

この「間」という言葉を、<単なる空間的な距離>でイメージしたら
飛び込みたくはならないだろうと思います。

ではどのようなイメージを持てば「飛び込みたくなる」でしょうか?

それは次回への宿題にしましょう。

 

そろそろ閉店の時間なので、今日のお話しはこれでお仕舞いです。

眠って目が覚めたら、新しい世界が待ってますよ。

ギャラリー沼の底 Océane

ギャラリー沼の底 Océane

ハラオチしながら世界をみる

1974年東京生まれ
ギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
物の見方と認識が専門。

選手引退後小学校教師を目指すが、情報量の多さと教育界の厳しい現実を知り断念。
情報を外側に求めると「知らない領域」が無限に広がってしまう事に気がつき、既に知っている情報をより深化させる道を模索するようになる。
長らくメンタルの引きこもり状態が続いたが、日本に住む2人の外国人との出会いと、コロナ禍による交流の断絶が契機となり、抽象的かつ感覚的なイメージを少しずつ言語化し発信するようになる。
情報分断の原因でありイメージ界最大の不一致でもある「有るイメージ」と「無いイメージ」を繋ぎ、イメージ世界のバリアフリーを目指している。

関連キーワード

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
MENU
お問合せ

(月 - 金 9:00 - 18:00)カスタマーサポート