線分上の点P
点が動くと問題が難しくなる
皆さんは学生時代の数学の問題に出てきた「点P」を覚えていますか?
例えばこのような問題です。
長方形ABCDがあります。
ABの辺が10cm、BCの辺が20cmです。
この長方形の辺の上を点Pが動きます。
点Pは点Bをスタートして点Aまで反時計回りに、秒速1cmで動く時の次の問いに答えなさい。
39秒後の点ABPの面積を答えなさい。
あの頃の悪夢が蘇るようです。
ネットの検索エンジンに「点P」と入力すると
「何で動くんだよ!」「点P動くな。落ち着け」「くっそ…。点Pさえ動かなければ…」
こんなつぶやきが沢山出てくるので、ちょっと笑ってしまいました。
多くの人たちは、なぜ点Pに動いてほしくないのでしょうか?
なぜならそれは、問題が難しくなるからですよね?
それと点は位置を決めるものなので、動かれたら待ち合わせが難しくなってしまいます。
例えば皆さんがお友達と北海道の苗穂にあるアリオで待ち合わせをするとします。
ところが約束の場所に、あるはずのアリオが無いんですよ。
驚きますよね?!
「何で動くんだよ!」と言いたくもなります。
圧縮と展開
点をつくる為には2本の線が必要になります。
けれど線も面がなければ生まれませんし、面も立体がなければ生まれません。
点Pの後ろには線・面・立体が隠れ潜んでいて、互いに連動しているのです。
立体・面・線がギュッと圧縮され、折り畳まれている状態が点です。
逆に、点が解凍されると、線・面・立体へと展開されていきます。
条件によって圧縮され、条件によって展開される。
その繰り返しです。
点Pをカウンセリングしてみる
話しは変わりますが、映画『千と千尋の神隠し』の物語は引っ越しのシーンから始まります。
車を運転するのはお父さん、左ハンドルの外国車に乗っています。
助手席にはお母さん、千尋は後部座席でしかめっ面をしています。
どうやら彼女は引っ越しをしたくなかったようです。
千尋は動く点Pなのです。
点Pは自らの意志で動いているのではありません。
なぜ動かざるを得なかったのでしょう?
点の背後には2本の線が隠れていますが、この場合千尋の背後にいるのは誰と誰でしょう?
そう。お父さんとお母さんです。
千尋が引っ越しを余儀なくされたのは、背後に居る線と面に何か原因がありそうです。
お父さんが財布を握っているようなので、更にお父さんの背後で財布事情を握る会社のような組織(面)が引っ越しの原因になっている可能性があります。
このようにカウンセラーになったつもりで、少し深読みしてみましょう。
千尋がもし油屋のある異界や沼の底に来なかったら、彼女はその後どのように成長し、どのような大人になっていくか予想してみてください。
不平・不満があっても我慢する大人になっていたかも知れませんし、
自分の幸せや不幸せを両親や環境のせいにする人間になっていた可能性もあります。
もしも千尋が沼の底に来ることがなかったら、そのような現実が待っていました。
点の1コ前
皆さんなら不平・不満を抱えながら我慢している人や、自分の幸/不幸を両親や他人や環境のせいにする人を見かけたら、どのような声掛け・アドバイスをしますか?
私だったら「ツベコベ言わず、沼の底に来い!」と言ってしまう所ですが、他人の心のベクトルを変えるのはとっても大変なのです。
大きな力が必要になるので、お相手の方にもこちら側にも負担が掛かかってしまいます。
両方に負担がかからないコツが1つあるので、お教えしたいと思います。
それは「1コ前をご案内する」です。
現実が辛いという方には、1コ前の面をご案内しましょう。
面は環境です。環境を変えれば解決できる事は沢山あります。
「どこもかしこも環境が問題だらけ」という場合は、更に1コ前の「線」を変える必要があるのかも知れません。
線とは関係性です。
「人と人」「人とモノ」「人と自然」このような関係性の中に、何か問題が潜んでいる可能性があります。
関係性が上手く築けず辛いのだったら点に原因があるのかも知れません。
点は何を指すでしょうか?それはあなた自身です。
自分自身でいる事さえ辛いのなら、その更に1コ前の「点の中」をご案内しましょう。
点の中は異界です。
異界でも辛い方は更にその1コ前。
そう。沼の底に是非ご案内くださいね!
そろそろ閉店の時間なので、今日のお話しはこれでおしまいです。
眠って目が覚めたら新しい世界が待ってますよ。
コメント
COMMENT