024 男はつらいよ

トラの異世界転生

いつもこんな辺鄙なところまでお越しくださり、ありがとうございます。

皆さんがここに来てお話を聞いてくださるから、頑張ってこのギャラリーを続けよう!と思えます。
本当に感謝しています。
…とは言え社会が不安定な昨今、ギャラリー経営だけでは心もとないじゃないですか。
オセアンは保険のために副業しようと思って、今小説を書いているんです。

まだ途中までしか書けていないのですが、ちょっとだけストーリーを聞いていただけますか?


🌸🌸🌸
主人公は日本に住む普通の女子高生、サクラちゃんです。
ある朝目覚めたら、異世界に転生していました。
赤ん坊なので話す事は出来ませんが、前世の記憶はバッチリです。
ふと隣を見ると、もう一人赤ん坊が寝ています。
それは前世でサクラの隣の家に住んでいた幼馴染み、1歳年上のトラでした。
2人は双子として一緒に転生してきたのです。
前世でのトラはヤクザみたいな人だったのでサクラは彼の事が苦手でしたが、
知らない世界に飛ばされ不安なサクラにとって、唯一の頼れる存在でした。

🌸🌸🌸
成長して行動範囲が広がると、周囲の状況が見えてきました。
2人は【油屋王国】という国の、双子の王子と王女として生まれ変わったのでした。
その世界では誰もが不思議な能力を持っています。
例えば白龍に変身する男の子がいたり、魔法で名前を奪い取るお婆ちゃんがいたり。
その世界でのトラは突出した、超絶強力な能力の持ち主で、右に出る者はいません。

ところが妹のサクラは、何歳になっても能力が現れませんでした。

周囲の者たちは陰で双子を比較しては噂話をし、実の父母である王と妃はサクラをよそ者扱いしていました。
サクラはとても辛くて苦しくて居心地が悪くて「ここは私が住む世界じゃない」と思い悩む日々を過ごします。

「サクラ。心配するな。お前のこたぁ、あんちゃんが守ってやる。」

味方になってくれるお兄ちゃんだけが唯一の救いでした。


🌸🌸🌸
ある時この国は戦争に巻き込まれますが、超絶強力な能力を持つトラが居るお陰で負けなしです。
あれよあれよという間に戦争に勝利し、トラは英雄になります。
英雄トラは王位を継ぎ、世界中の美女がトラを追いかけまわすようになってトラの鼻の下は伸びたっきり。
元に戻る事がありません。

「お兄ちゃんはもう私だけのお兄ちゃんじゃない」
「私がいたんじゃお兄ちゃんの結婚の邪魔になる」

けなげなサクラは誰にも告げずトランク一つだけ持って、流浪の旅に出ます。

サクラに去られ、すっかり意気消沈したトラは絶世の美女と結婚します。
ところが持っていたはずの超絶強力な能力は、いつの間にか弱まっていました。
それだけでなく、身も心もボロボロ。
ついに嫁にまで逃げられてしまいます。

🌸🌸🌸
実はサクラは、隠れた能力者だったのです。
彼女自身も、周りの者も、誰一人そのことに気が付きませんでした。

彼女が持っていた力。

それは、自分以外の大切な人の力を増幅させる【ブースター能力】でした。

トラはいなくなった双子の妹を追いかけ駅に向かいますが、途中の階段で躓きゴロンゴロン。
目が覚めると駅のベンチにいました。
トラだけが現実の世界に戻ってきてしまったのです。


…というストーリーなのですが、この小説、売れそうですかね?
サクラちゃん、一体どこに行ってしまったと思いますか?
実は私も続きがまだわからないんです。
行方がわかったら、またお話ししますね。

そろそろ閉店の時間なので、今日のお話しはこれでおしまいです。
眠って目が覚めたら新しい世界が待ってますよ。

ギャラリー沼の底 Océane

ギャラリー沼の底 Océane

ハラオチしながら世界をみる

1974年東京生まれ
ギャラリーアビアント アシスタント
家事代行piu-c(ピウシー)代表

祖父、伯父、父が舞台美術家であるが、自身は元バスケットボール選手。
物の見方と認識が専門。

選手引退後小学校教師を目指すが、情報量の多さと教育界の厳しい現実を知り断念。
情報を外側に求めると「知らない領域」が無限に広がってしまう事に気がつき、既に知っている情報をより深化させる道を模索するようになる。
長らくメンタルの引きこもり状態が続いたが、日本に住む2人の外国人との出会いと、コロナ禍による交流の断絶が契機となり、抽象的かつ感覚的なイメージを少しずつ言語化し発信するようになる。
情報分断の原因でありイメージ界最大の不一致でもある「有るイメージ」と「無いイメージ」を繋ぎ、イメージ世界のバリアフリーを目指している。

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