沼の底に3人目のお客様がいらっしゃいました
ラスボス降臨
ミ)今日はお友達を一緒に連れてきました。
ご紹介します。
一緒にPodcastの「ラスボスの大人体育」という番組をやっているラスボスです。
ラ)こんばんは。ラスボスです。
オ)ラスボスさんこんばんは。沼の底にようこそお越しくださいました!
ミ)軽くご紹介させていただきます。
ラスボスは中学・高校で体育の教師と、野球部の指導を長年されてきた元先生です。
その中で培ってきた「どうすれば子ども達を伸ばせるか?野球部が強くなるか?」
独自の研究をされてこられ、その内容を子どもさんや親御さん、
シニア世代にお伝えしていらっしゃいます。
ラ)ミツキさんご紹介ありがとうございます。
僕はスポーツコーチと指導者コーチングの2つをさせていただいてます。
スポーツは「自信がないけど好き」と言っている子を上手くさせたい、
という思いで立ち上げました。
指導者コーチングは、例えば少年野球で「何を教えたら良いか分からない」
このように言っているお父さんコーチの方たちに提供させていただいてます。
オ)お名前が独特ですよね。
まず始めに由来、イメージ、いつ頃から使われ出したのか?
ご紹介いただけますか?
ラ)最初は特別支援学校だったんですが、
その後中学校・高校で30年間教員をやっておりました。
高校の時に生徒から「ラスボス」って呼ばれるようになったのです。
多分、怖かったんだと思います!
ただ怖いんだけども「超えたい存在」みたいに言ってくれた子がいて、
そういう意味でゲームのラスボス「最後は倒して出ていくぞ!」
みたいなイメージで付いたあだ名が「ラスボス」でした。
オ)素晴らしいですね!
ミツキさん、ラスボスというお名前のイメージなんですけど、
ピラミッドの頂点のイメージじゃないですかね?
ピーク、トップにラスボスさんがいらっしゃるわけですよね?
ご自分は【倒される前提】でそこに立ち続けている。
生徒たちは何としてもコイツを倒して超えていきたい!
と目指す訳ですよね?
生徒たちは点の向こう側に行きたい。
点を越えたら、どうなると思いますか?
下に向かうベクトルを上向きに変える
ミ)点を越えたら?
生徒たちは自分の可能性をもっと広げられる。
もしくは自分で気づかなかった才能に気づいて開花していく。
もっと大きくなれる。
オ)私はこのPodcastの中で点の話をよくするのですが、
点ってとても面白いんです。
それを通過すると、相転移のような事が起こります。
ミ)相転移?
オ)水を熱して99℃までいき100℃を越えると水蒸気に変わりますよね?
水って放っておくと下に、下に流れていってしまうのですが、
水蒸気になった途端にベクトルが変わるんですよ。
上に。
それを相転移と言います。
点を越えると素材が変わります。
だからラスボスさんを越えた後のチーム全体は
放っておいても上がっていくというか。
チームの相転移を教育現場でご経験された事ありませんか?
ラ)自分が見ている現場というよりは、卒業して戻ってきてくれた子とか
話をしに来てくれた子によく感じるのが、今のお話しですかね。
社会人としていろんな経験をしていたりすると、
「あの当時思っていた事がそんな風に昇華しているんだ」
と思う事は何回かありました。
努力+巡り合わせ
オ)ラスボスさんは野球部の部活動で良い成績を残されていらっしゃいますよね?
ラ)中学校では2回ほど県で優勝して全国に行きました。
高校でも3位までいきました。
だいたいその学校を任されてから4、5年目、7年目の間に結果が出るので、
最初にもった3年間は「昇華する前の子たち」なのかな。
土台を作ってくれて。
そのバトンが受け渡された4年目5年目辺りで上位に行けて、
7年目に開花する、というのが僕のルーティンでした。
オ)スポーツをしている方だったらイメージできるのではないかな?と思うのですが、
公立学校が県で優勝して全国に行くのは、凄い事なんです。
私立ならスカウティングして人材を集められるのですが、
公立は意図的に集められない。
ミ)しかも最初は強いチームではないのですものね?
そこからラスボスの指導や子ども達の頑張りで結果を出している。
オ)相転移は自然界では当たり前のように行われているのだけど、
人間の心の世界でそれをやろうとすると、とたんに難しくなるんです。
まず99℃まで熱し続ける忍耐力:気力が必要です。
それだけじゃなく最後の1℃を越える場面の難しさを例えるならば、
2023年WBC準決勝の日本vsメキシコ戦、9回裏日本が1点ビハインド。
その場面で打順が3番4番5番という奇跡!
その奇跡的な巡り合わせが必要になってくる。
努力と奇跡が揃い、やっと超えられる。
出来ないことを出来るようにする
ラ)僕自身も成績の良い人間ではなかったし、運動もスペシャリストではなかった。
どちらかというと「出来ない子」の部類でした。
出来ない子の気持ちは重々分かる。
多分できない子は、出来る子を見て諦めている機会が多い。
対戦相手の体格を見てパッと「今日はアカンな…」っていうケースは結構ありました。
「そこは見るな」「そこじゃないよね?!」「自分の内側を見よう」
という事を言い続けてきた。
それを「意志の力」という言葉に置き換えていつも話していた覚えはありますね。
オ)ラスボスさんご自身はお若い頃、運動は得意な方ではなかったんですか?
ラ)普通の子でした。
運動の得意な子って、何やっても上手いじゃないですか。
サッカーやってもバスケやっても、鉄棒やってもクルクル回るし、
夏に水泳やらせれば「えー?バタフライできるの?」っていう子。
いるじゃないですか。
オ)元々先生になりたくてなられたんですか?
ラ)そうです。中学生の時には先生になりたいと思っていた。
出来ない事を出来るようにするっていう事に興味があったので。
だったら一番好きな教科でなろうと思って。
体育は得意ではないけど好きだった。
その方が興味が続くじゃないですか。
英語とか数学は嫌いですし好きでもなかったので。
出来ない子の特徴
オ)ラスボスさんの番組「大人体育」の中で
<運動の苦手な子と得意な子の違い>のお話しを興味深く聞かせていただきました。
苦手な子の「特徴」をもう少し詳しくお聞かせいただけませんか?
ラ)出来ない子の特徴は、必ず外側から動くんですよ。
人間の外側です。
「アウター」と呼びます。
例えばボールが投げられて取りに行き、自分でキャッチしなければいけない場面で
出来ない子は必ず手を伸ばします。
出来る子は、ボールのコースに勝手に体を動かします。
体の内側を使って、見る視点も顔の角度も含めてコースに入るんですけど、
出来ない子は先に手を伸ばします。
これを僕はアウターと呼んでいます。
外側から動くのか?内側から動くのか?
それで得意/不得意が決まると思います。
ラ)よく考えると、他の勉強や考え方の原理も全て同じ。
外側から見るのか?内側から見るのか?
それで出来る/出来ない、好き/嫌いが決まってしまうのだと思います。
僕は英語とか外側から見てますもん。
だからいつまでも得意ではない。
「出来たらカッコイイな~」
「カッコ良さそうだな~」という所から見ているので、
「どう伝わっているの?」とか「何が大事?」とか、
そんな所まで目が行かないですよね。
流れを読む
オ)ラスボスさんが発見された運動の苦手な子の特徴、
もう一つあるかと思うのですが。
物事の順番の一番最後から始めてしまう、
というお話しを、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
ラ)「結果こうなりたい」とか「目標がこう」とかだと、
意識が先に行ってしまう。
ボール取る時に先に手が出るという事は、
「取る」という結果から行動が行われているじゃないですか?
そうすると体ってそこに固まってしまったり、
そこから柔軟性がなくなったり、
アクシデントに対応できなくなったりするので上手くいかない率が高くなる。
下手するとその態勢のまま怪我をする率も高くなる。
そういうことを発見しました。
オ)全てには動きがある。動きがない所はどこにもありません。
動きを「流れ」という言葉に置き換えると、流れには順番があり、
全てに共通する流れを見つけた人の事を「一流」と呼びます。
流れが見えれば次が読めるわけです。
「この流れの行きつく先はどこだろうか?」
「それは自分たちにとって良い結末になるのか?
それとも悪い結末になるのか?」
もし悪い結末になりそうならば、進路変更が必要なわけです。
悪い流れの「出発」はどこだったのだろう?
そういった事が読めるようになります。
コーチをする人、監督の立場に立つ人は、
観察力や隠れたアルゴリズムを探す力は必須だと思います。
観察する視点
ラ)観察する視点が僕は他の人と違った。
他の指導者って出来る子に目を奪われるけど、僕は逆でした。
上手い子って、放っておいても勝手に上手くなるし、
放っておいたって自分で次の課題を見つけられるから上手いのであって、
その子たちには適切な環境を与えてあげるだけでいい、
と僕は思っていました。
出来ない子に何を伴走してあげれば
「やった!出来るようになったぞ!」
「俺も追いつきたい!」
「僕もやりたい!」
「私もこうなりたい!」って思わせられるか。
そういった事にしか興味がなかった。
だから普通の公立中学校、公立高校を勝たせるには
「自分たちにもできるんだ」という思いをさせてあげる事に、
ずっと特化してきました。
ミ)ラスボスはその観点から野球やサッカーをやっているお子さんの「親御さん」が、
どうサポートしたら子どもが伸びるか、親側のコーチングをしています。
★30話に続く
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